考現学

語るにおちて、ではなく語る

だいたい高校生くらいの頃まで、口論というのを単に無粋だと思っていた。口論というと喧嘩みたいだけど、テレビで目にする−ってことは注目を浴びるべきとされている−議論の質なんてほとんどすべてが相手の人格攻撃と同じだ、と思っていて、今もかわらない現…

日誌にしようか

あまりに書く習慣がなくなるので、日誌という形に義務付けたほうがよいかもしれない。書くことがないというのはすごくいいことだ、ということにする。ではなぜ書くのか。そんなもん最近風呂屋へよく行く。日帰り温泉じゃなくて風呂屋。文京区にはすごく風呂…

手向くるや、むしりたがりし赤い花

前々回ぼくは、複雑系というキーワードを使って資本主義と心の力学系が相同関係にあることを見ようとした。相同関係は因果関係とは違い、「だから」とか「それゆえ」を使わないで、単にそれを“並べること”である。似た構造を発見することは、そこに終始でき…

既製品と古典について

また、書いていなかった。これはまだまだ何か意味あることを書こうとしているか、頭がスポンジ状になっていたのだろ。そういえば、七日まで新潟に帰省していた。雪のない正月なんて滅多にないのでちょっと拍子抜けだったけど、二つ温泉に入り、いとこの赤ん…

権利意識合戦をどうやって終わらせよう

先日新潟の県立図書館へ行ったときにこんなことがあった。 まず閲覧室へ入ると、鞄はコインロッカーかカウンターに預けろと言われ、閲覧席に着くとそこには「教科書や参考書の持込禁止」と「閲覧席の長期離席禁止」の文字が書かれた紙が置かれていて、雑誌の…

想像力を用いて、知に働くこと

少し以前に『ゲド戦記』を観た。ジブリが特設しているサイトのBBS等に、一般視聴者の批判的な感想が寄せられているようだったのでこれは観てみよう、と思った。最近のジブリの作品、特に『千と千尋の神隠し』と『ハウルの動く城』の二つには、次のような二極…

小説はどこに、そして

一億三千万人のための小説教室 (岩波新書 新赤版 (786))作者: 高橋源一郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2002/06/20メディア: 新書購入: 21人 クリック: 206回この商品を含むブログ (145件) を見る小説はどこに書かれるのだろう。これが一番最初に思いつ…

考える時じゃない

Axel Tosca Laugartのピアノが最高だ。ファンキーな外観が誰かに似ている。合衆国の映画に出てきた脇役と、中学のときの家庭教師を足した感じかな。考えるための準拠点が見つからないので、「人に何かを伝える」という作業に魅力を感じなくなるのが恐ろしい…

蜘蛛の巣の時代

下山事件―最後の証言作者: 柴田哲孝出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2005/07/01メディア: 単行本 クリック: 49回この商品を含むブログ (65件) を見る先日の週刊ブックレビューにこの作家が出演していた。最近の下山事件に関する一連の書籍に登場する、特に森…

学校教室内における暗黙の規範

■おとなしく席について授業を聞く、という行為は弛まざる訓練によって形成される規範だ。そのことは昨今の「席について授業をきけない小学生・荒れる学校」などの宣伝文句をよく目にする僕らには、わりに簡単に納得することができる。■これは懸念材料か?否…